情報疲れを防ぐ:デジタルと上手に付き合うための休む習慣
「最近、スマートフォンの情報を見ていると、なんだか疲れてしまう」「気がつくと時間が経っていて、もったいないと感じる」。もしそう感じることがありましたら、それは情報疲れのサインかもしれません。
特にシニア世代の方々にとって、新しい情報源が次々と現れる現代社会で、どのように情報と向き合えば良いのか迷うことは少なくありません。常にデジタルデバイスを手にしている状態では、心身ともに休まる時間が少なくなりがちです。
このコラムでは、情報過多からくる疲れを和らげ、デジタルデバイスと上手に距離を保つための、シンプルで日常生活に取り入れやすい「休む習慣」をご紹介します。少しずつでも実践することで、心が穏やかになり、本当に必要な情報だけを選び取れるようになるはずです。
なぜデジタルから距離を置く時間が必要なのでしょうか?
私たちはスマートフォンやパソコンを通じて、常に多くの情報にアクセスできる時代に生きています。しかし、この便利さの裏側には、知らず知らずのうちに心身が消耗してしまうリスクも潜んでいます。
- 集中力の低下と疲労: 常に新しい情報が目に入ると、一つのことに集中し続けることが難しくなります。脳が絶えず情報処理を行うため、疲労が蓄積されやすくなります。
- 睡眠の質の低下: 寝る直前まで画面を見ていると、脳が覚醒状態になり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
- 心のゆとりの喪失: 他人の投稿やニュースに一喜一憂し、自分の時間や気持ちが情報に左右されてしまうことがあります。これにより、心が休まる時間が失われ、ストレスを感じやすくなります。
このような状態を防ぎ、心にゆとりを取り戻すためには、意図的にデジタルデバイスから離れる時間を作ることが大切です。
今日からできる!デジタルと上手に距離を置くためのシンプルな習慣
デジタルデトックスと聞くと、スマートフォンを完全に手放すような、大変なことだと感じるかもしれません。しかし、ここでご紹介するのは、日常生活の中で無理なく取り入れられる、ごく簡単な習慣ばかりです。
1. 時間を決めて「デジタルオフ」の時間を設けましょう
まずは、一日の中で数十分でも良いので、「この時間はデジタルデバイスに触れない」と決めることから始めましょう。
具体的な例: * 寝る前1時間はスマートフォンに触れない: 寝室にスマートフォンを持ち込まない習慣を作るのが効果的です。代わりに、本を読んだり、ラジオを聞いたり、静かに過ごす時間にあててみてください。 * 食事中は画面を見ない: 家族との会話を楽しんだり、食事の味をじっくりと味わったりする時間に集中します。テレビを消して、静かな環境で食事をするのも良い方法です。 * 朝起きてすぐはデジタルデバイスを確認しない: 目覚めてすぐにSNSやニュースを見るのではなく、まずはゆっくりと朝食をとったり、身の回りのことを済ませたりする時間を設けましょう。
これらの時間を守るために、スマートフォンのアラーム機能を活用して、デジタルオフの開始時間を知らせるように設定するのもおすすめです。
2. デジタルに触れない「聖域」を作りましょう
自宅の中に、スマートフォンやパソコンを置かない場所を作るのも効果的です。
具体的な例: * 寝室を「デジタルフリーゾーン」にする: 寝室は睡眠と休息のための場所です。充電器も別の部屋に置き、夜間は完全にデジタルデバイスから離れる環境を整えてみましょう。 * リビングの一角を「アナログコーナー」に: ソファの横に雑誌や編み物、クロスワードパズルなどを置き、デジタルデバイスの代わりに楽しめる空間を作ってみてください。
意識的にデジタルデバイスから離れる時間を設けることで、心の疲れが癒され、頭の中が整理されていくことを実感できるはずです。
3. 不要な通知は減らす工夫を取り入れましょう
スマートフォンからの通知は、私たちの意識を常にデジタルデバイスに向けさせる大きな要因の一つです。本当に必要な通知だけに絞ることで、集中力を維持し、心の負担を減らすことができます。
具体的な方法: * スマートフォンの設定画面を開き、「通知」の項目を選びます。 * あまり使わないアプリや、緊急性の低い情報が届くアプリの通知はオフに設定してみましょう。 * メールやSNSの通知も、受信するたびに確認するのではなく、時間を決めてまとめてチェックする習慣をつけるのも良い方法です。
すべての通知をオフにする必要はありません。ご自身にとって本当に必要な情報を見極めることが大切です。
4. 情報に触れない「空白の時間」を意識的に作りましょう
何か目的がなくても、ただぼーっとする時間、空を眺める時間、散歩に出かける時間など、情報に触れない「空白の時間」を持つことは、心をリフレッシュさせるために非常に重要です。
具体的な例: * 庭の手入れをしたり、散歩に出かけたりする際は、あえてスマートフォンを持たずに出かけてみましょう。 * カフェでコーヒーを飲む時間も、スマートフォンを見るのではなく、窓の外を眺めたり、ゆっくりと本を読んだりする時間に当ててみてください。
心の中に余白が生まれることで、新しい発想が生まれたり、日々の出来事を客観的に見つめ直すことができるようになります。
完璧を目指さなくて大丈夫です
デジタルと上手に距離を置く習慣は、いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは「今日から10分だけ」「この習慣だけは試してみよう」というように、できることから少しずつ始めてみてください。
大切なのは、ご自身の心と体の声に耳を傾け、無理なく続けられる方法を見つけることです。デジタルデバイスは便利な道具ですが、それに振り回されることなく、ご自身のペースで情報と向き合うことが、心豊かな生活を送るための第一歩となるでしょう。
情報と上手に付き合い、心穏やかな毎日を過ごすためのヒントとして、ぜひ今回ご紹介した習慣を試してみてはいかがでしょうか。